2011年5月31日、アドバイスいただいたので喫煙所をどれくらい離せば良いかを追加しました。
※記事内では「避難所」となっていますが、その性質上と構造上「仮設住宅」も含ませてください。
被災地へのタバコの支援が、有名人著名人から始まり、波が広がっています。
ニコアンを通して、一番中立な元喫煙者の声を聞いた事のある私ですから、被災地に喫煙者がおり、非常時のストレスから禁煙や卒煙が難しいことは理解できます。
でも、人が大勢集まる場所において、タバコで具合が悪くなる人や、受動喫煙を避けるべき人は必ずいます。
タバコを支援するのなら、これらのことも配慮していただけないでしょうか。
被災地や避難所にタバコを支援する際に配慮して欲しいこと
- 屋内にニオイが入らない距離の喫煙所(どれくらい離せば良いか?)
- 「喫煙者と、喫煙者の近くにいたい人」と「非喫煙者と、喫煙者の近くにいない方が良い人」の十分な距離、あるいは別室
- 喫煙者は吸った後しばらく避難所内に入らない
- 吸い殻入は喫煙者が後始末
1番目は特に、絶対にお願いしたいことです。
タバコを支援するのであれば、避難所が対応できるように、伝え広めて欲しいのです。
このお願いの主旨(2011年4月24日14:27追加)
認識していただきたいのは、このお願いは「これ以上苦しむ人を増やさないで欲しい」以上の他意はないことです。
「何の配慮もなくむやみやたらに配っている」
「喫煙者が避難所のど真ん中でスパスパ吸っている」
「不謹慎だから自粛すべき」
「贅沢品を配るな」
そういった考えではありません。
「タバコのニオイが苦手」
「タバコのニオイで体調が悪くなる」
人が集まる場所にはそういった人は必ずと言って良いほどいます。タバコを支援するのであれば、被災者全体のバランスを取るために、より一層の配慮をして欲しいのです。
このお願いは、被災者全員のための「住み分けのお願い」なのです。
被災地の人の多くは、非常時、被災地に舞っているであろう様々な粉塵、放射性物質、栄養不足などの心身のストレスが常にあるはずです。そこに、タバコの害を上乗せしないように、「これ以上苦しむ人を増やさないで」という、とてもシンプルなお願いなのです。
支援に尽力されている方の善意や優しさを疑うものではありませんので、くれぐれもその点をご理解ください。
この記事を良く読んでいただければご理解いただけると思っていますが、それでも不快に感じましたら、それは私の言葉足らず、配慮足らずです。その主旨のお叱りのお言葉でしたら、いくらでも受けます。
屋外に喫煙所(灰皿缶など)があってもダメなの?
厚生労働省も避難所は原則禁煙としていますし、上記のように私も避難所の屋内でタバコを吸っている人がいるとは、思っていません。
ならばなぜこんなお願いをする必要があるのか…問題は、喫煙所(灰皿缶)の場所なのです。
避難所の出入り口や仮設住宅の玄関に近い場所にあったら、意味がなくなってしまいます。
屋外で入り口から離れていても、距離や風向きによっては屋内にニオイが流れ込むことがあります。
場所によっては、配給の列に並ぶ時などに、常にタバコのニオイがすることもあります。
喫煙所を屋外にしていても、残念ながらその配慮だけでは足りないことがあるのです。
その点を踏まえて、タバコを支援する際に、上記のお願いを伝え広めたり、支援物資の中にメモなどを入れて欲しいのです。
伝わった避難所内で相談し、現在の喫煙所の位置を避難所と配給の列から離す。それだけで、喫煙者はタバコを吸うことができますし、タバコが苦手な人もニオイに悩まされるなどのストレスがなくなります。
「そこにいざるを得ない状況」
「タバコのニオイが染み付いたものを洗浄するための水や洗浄環境などが不自由」
このような状況において、タバコのニオイが屋内に入り込むことは、タバコが苦手な人にとって心身共に辛く、ストレスになってしまうのです。どうか、配慮をお願いします。
具体的に、喫煙所はどれくらい離せば良いの?
「できるだけ遠く」です。
あえて具体的に数値として表現するなら、最低でも半径7メートル以上(無風状態)。
風向きや建物の形状によってはそれ以上。
また、喫煙者の人数によってはもっと離す必要があります。
不自由な環境である避難所では難しいかもしれませんが、避難所だからこそ配慮と協力をしていただきたいのです。
仮設住宅も、その性質上、隣近所との間が近く、密封性も高くないことから、玄関や窓からタバコの成分が入らない配慮が必要になります。
避難所にいる被災者の皆さんは、現状では避難所に身を寄せるしか選択肢がない状態です。そこに居ざるを得ない状況で、震災のストレスやヘドロやガレキからの粉塵、放射性物質に、受動喫煙のストレスを加えないよう、お願いします。
なお、距離については屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言を参照させていただきました。
※「タバコを吸っている喫煙者との距離が(無風の状態で)半径7メートル以内」ですが、以下を参照して書いています。
「屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言」
この提言の根拠となる資料(論文:英語)
私がこの提言を信じる根拠は、風の少ない日、路上喫煙者が一人、吸い初めという条件であれば、確かに約7mくらい離れているとタバコの臭いに気づかずに近づいて「ぎゃー」となる時がある、という、自分の経験則と合致するからです。
個人で無風の条件を作ることはできず、私の行動範囲内で室内で自由に喫煙できる場所もありませんので、実際に無風の状態で、きっちり7m測って体感したわけではありません。
もっと具体的な数値や実験内容をお求めでしたら、日本禁煙学会や、論文の著者にお問い合わせください。
自宅避難の被災者への支援なのに声をかけられたんだけど?
Twitterの検索機能やググッたりして、被災地にタバコを支援している人へメッセージを送らせていただいています。
もちろん、自宅避難している方へ支援していることや、被災者が自宅でタバコを吸うことを非難する意図があってしているわけではありません。
しかし、被災地でタバコが不足しているから支援をしているはずです。個人的に支援した場合でも、被災者が避難所にいる知人に譲る可能性があるのではないでしょうか?
そのタバコを受け取った方が寝起きしている避難所の喫煙所が、入り口付近や屋内にニオイが入ってしまう場所だったら、その場合も被害が出てしまいます。
また、ツイートや支援情報の記事だけでは個人への支援か避難所への支援かが区別がつかない場合もありますので、特記がなければメッセージを送らせていただいています。
「喫煙マナー」と「喫煙トラブル」
「喫煙マナー」。あなたにとって、どんなことだと思っていますか?
非喫煙者の方向に煙を行かせないこと?
ポイ捨てをしないこと?
屋内で吸わないこと?
これらが守られているとしたら、それで充分だと思いますか?私から言わせていただくと、これらは「なんちゃってマナー」です。だって、これでは受動喫煙を防止できませんから。
タバコのニオイは、喫煙者やタバコの害を実感していない人の想像以上に広がり、衣服などに染み付き、残り続けます。タバコが苦手な人にとって心身ともにストレスがかかります。
屋内で吸っていなくても、上記の通り、喫煙所や灰皿が入り口近くにあったり、配給の列の近くだったら、せっかく喫煙者が吸う場所を守っていたとしても、意味がなくなってしまいます。
ポイ捨てしないということは路上喫煙をしていることを前提にした考えですから、マナーに含めること自体が疑問です。
吸殻を灰皿に入れていても、その後始末を喫煙者自身が率先してやらなければ、だれか他の人がすることになります。喫煙者は、それを誰がやっているのか把握していますか?本当はタバコが苦手なのに、係りや当番だから、他にやっている人がいないからと、キツいニオイなどを我慢しながら掃除しているのかもしれません。
通常考えられている喫煙マナーでは、喫煙トラブルは避けられません。
喫煙トラブルが表面化したときは、大抵が、我慢していた非喫煙者の感情が爆発するときか、病気になってしまった時が多いのです。
タバコが苦手な人は、喫煙者やタバコの害を実感していない人の想像よりも、ずっと我慢し続けているのです。
どうか、宜しくお願いします。
支援しようとするその優しさを、タバコが苦手な人や、体調を崩してしまう人にも向けてください。
繰り返しますが、このお願いは、支援に尽力されている方の善意や優しさを疑うものではありません。
この記事を良く読んでいただければご理解いただけると思っていますが、それでも不快に感じましたら、それは私の言葉足らず、配慮足らずです。その主旨のお叱りのお言葉でしたら、いくらでも受けます。
コメント
ゴジラとの会話。
「ちょっと、口から放射能吐くのやめてよ」
「むこう向いて吐くならいいだろ。あんぎゃー」
というのと同じだね。
>北風小憎夫・ニコアン家元
会えたらちょっとウレシイか苦しいだけかの違いはあるけど、理屈としては同じ~。
配慮しようっていう喫煙者と、無遠慮な喫煙者との落差が、あまりにもありすぎるんですよね~。
こいつ馬鹿だろ。
>たかしさん
コメントを書く労力をありがとうございます。
喫煙者の方でしょうか?何をどう馬鹿と思うのかも書いていただけると助かるんですけどね。